1995年1月17日未明、阪神地域を襲った「兵庫県南部地震」で、道路、鉄道、ビル、住宅は壊滅的な被害を受け、ライフラインにも大被害をもたらしました。
ミニシールド工法研究会では、施工中のミニシールド現場と施工済のミニシールドトンネルについて各起業者の許可を得て、全16ケ所(延長7,500m、11,400リング)の調査を実施しました。
調査によると管路においては、セグメント破損と目地剥離が2リング、目地剥離13リングが見られました。セグメント数から見るとセグメント破損率は0.02%、目地剥離率は0.13%、これらに伴う浸入水率は0.07%との調査結果が出ました。この調査により、ミニシールドトンネルのすぐれた耐震性が証明されました。
最大震度6強の強い揺れを観測した2003年7月26日の宮城県北部地震後の調査の結果でも、ミニシールドトンネルへの被害はありませんでした。
RCセグメント部異常なし
鋼製セグメント部異常なし
東日本大震災は、マグニチュード9.0という人類史上最大級の地震動と高さ10mを超える大津波により、様々なライフラインに甚大な被害を与えました。東日本大震災後に各地のミニシールドトンネルの被害状況を調査したところ、セグメント本体に損傷は認められず、若干の目地部漏水、目地材破損程度と非常に軽微な被害である事を確認しました。中でも2003年宮城県北部地震と2011年東北地方太平洋沖地震の二度にわたる大地震に遭遇し、被害が大きいと予想された宮城県東松島市矢本地内のミニシールドトンネルは、被害が非常に軽微であり、ミニシールドトンネルに優れた耐震性能があることが実証されました。
調査場所 | 宮城県東松島市 |
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管路概要 | 汚水管内径1200mmミニシールドトンネルL=1341m |
施工年 | 1996年(地震時築15年経過) |
震災概要 | 震度6強 津波による浸水水没 |
耐震結果 |
セグメント破損率 ……… 0.00% 目地材剥離率 …………… 0.05% 侵入水率 ………………… 0.05% 津波影響:海水の流入による堆積物、付着物が認められた。 |
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総合評価 | 下水道の供用には支障が無いと判断できる。 |
地震データ出典:気象庁ホームページ
地震データ出典:気象庁ホームページ